1995年に起きた阪神・淡路大震災では、東京ガスグループからもガス導管復旧工事に社員を派遣しています。東京ガスグループは、災害復旧時のガスの復旧が非常に大切であることを改めて痛感しました。予防措置、緊急体制、そして早期復旧。東京ガス山梨は大切なライフラインを守るために、365日防災体制で臨んでいます。
地震などの災害に備えて、まず大切なのが予防措置です。東京ガス山梨は、ガスホルダー(ガスタンク)、ガス整圧器(ガバナ)等の主要な施設について関東大震災クラスの地震にも十分耐えうるよう設計・施工しています。また、地震により地盤変動の影響を強く受けるガス導管には、耐震性を十分考慮した「可とう性配管」「ポリエチレン管」「メカニカル継手(抜け出し防止付)」を採用し、地震による損傷を最小限に食い止める対策を行っています。ガスの主要な設備には緊急遮断弁が設置してあり、非常時は遠隔操作により遠隔でガスの送出を停止し供給を遮断。ガス漏れによる爆発・火災などの二次災害が起こるのを防ぎます。
球形ガスホルダーは、球体の部分は何枚もの鋼板をつなぎ合わせており、大地震にも十分耐えるよう設計施工されています。基礎部分についても地質調査に基づいて堅い地盤までしっかり杭を打ち込み、強固な鉄筋コンクリートの基礎を作り、その上に丈夫な支柱(脚柱)と球体をしっかり据え付けています。さらに、ガスの出入り口には遠隔操作のできる緊急遮断弁(ESV)が設置してあり、万一の非常時には、ホルダーへのガスの流入・流出を遮断します。
現在、中圧ガス管には強度が高く展延性の高い溶接接合管が使われています。この溶接接合管は、ある程度までは地盤の変動にも耐えられ、阪神大震災のときも、これらのガス管は無事でした。
整圧器は、お客さまの用途に合わせてガス圧力を一定に保つ機能を持っている機器です。
大震災の際には二次災害を防止するため、遠隔で整圧器を停止し被災地域へのガス供給を遮断する場合があります。
ガス管の8割以上を占める低圧ガス管も「ガス管耐震設計基準」に基づいた構造のもの、すなわち「メカニカル継手」「可とう性配管」「ポリエチレン管」など地盤の変動による影響を吸収して損害を最小限にくいとめるようなガス管を採用しています。
地震発生時には、東京ガス山梨管内に配備された高機能地震計(SIセンサー・・・2021年4月現在39箇所に設置)からの地震情報により被害状況を把握し、被害の大きい地域へのガス供給を直ちに停止させ、二次災害を未然に防止します。
供給区域の市町村で震度4以上と発表があった時、および警戒宣言等が発令された場合は、当社社員は休日・夜間を問わずあらかじめ決められた場所へ出動する態勢をとっています。
ガスを停止した地域は、供給を再開するための復旧作業を行ないます。復旧にあたっては、お客さまにご迷惑のかからないようできるだけ早く、確実に行う必要があります。作業手順としては、比較的復旧が容易な地域から始め、復旧日数を極力短縮するように取り組みます。そのために東京ガス山梨では「毎日が防災の日」という気持ちで、日ごろからガス設備の保安体制を整え、安全水準のレベルアップを推し進めています。
東京ガス山梨では保安要員と緊急車両が24時間待機して、万一の災害発生に備えた緊急出動態勢を整え、スピーディで確実な対応により、お客さまの安全をお守りします。